2026年シーズンから、バンテリンドームに新しく外野テラス席「ホームランウイング」が設置されることになりました。
この発表は2025年2月に行われていましたが、いよいよ来季のオープン戦から運用が始まる予定で、ファンの間でも注目が集まっています。
本記事では、外野テラス席の概要、導入の背景、メリット・デメリット、他球団の導入例とその後について詳しく見ていきます。
バンテリンドームに新設される外野テラス席の概要

2026年からバンテリンドームに新設される外野テラス席は、左中間と右中間の外野フェンス前にせり出す形で設置され、それぞれ「ホームランウイング」と名付けられています。
概要は以下の通りです。
- 設置場所:左中間・右中間に1か所ずつ、計2か所
- 席数:各130席(計260席)
- フェンスの距離:両翼から中堅までの膨らみが小さくなり、左中間・右中間の最深部から本塁までの距離が116メートルから110メートルに短縮
- フェンスの高さ:現行のラバーフェンス4.8メートルから3.6メートルに変更(ソフトラバーフェンス2.6メートル+ネットフェンス1.0メートル)
席数はレフト側・ライト側にそれぞれ130席ずつ用意されており、合計260席の新観戦エリアとなります。
テラス席に飛び込めば全てホームランになるので、左中間と右中間へのホームランも増えそうです。
さらに、フェンスが1.2m低くなるのは、ホームランバッターにとって大きなアドバンテージになると思います。
2025年シーズンでも「あと少しでスタンドイン」という当たりが何度も見られただけに、2026年からはその多くが本塁打になるかもしれません。
koudai想像するだけでワクワクしてきますね
新設されるテラス席は、観戦体験としても特別感があり、ファンにとって大きな注目ポイントとなりそうです。
では、なぜこのタイミングでテラス席が導入されることになったのでしょうか。
その背景には、立浪前監督の助言や球団の狙いがありました。
バンテリンドームに外野テラス席が新設される背景


外野テラス席の新設は、単なる球場の改修ではなく「チームをどう強くするか」「ファンにどう楽しんでもらうか」という意図が込められています。
ここでは、導入の背景として大きく二つの要素である「立浪前監督の助言」と「球団が抱えてきた得点力不足・ファンサービス向上の狙い」の視点で見ていきます。
立浪監督の助言
バンテリンドームに外野テラス席が導入される背景には、立浪前監督の助言があったと報じられています。
監督に就任した2022年に、広いバンテリンドームについて以下の発言をしていました。
「ピッチャーは育つが、バッターはなかなか育たない」
出典:AERA DIGITAL
広さゆえに本塁打が出にくい球場環境が、打者育成の難しさや得点力不足につながっている、という見方を示していました。
そして、監督退任後の2024年12月のトークショーでは、以下のような発言をしていました。
「数年後には狭くなるっていう話も聞いていますけど」
出典:AERA DIGITAL
この発言が、2026年からの外野テラス席導入を示唆するものとして、ファンの間でも注目を集めていました。



打てるチームにしたいと言う立浪監督の思いが、外野テラス席という形で実現したのかもしれませんね
得点力不足の改善やファンサービス
中日ドラゴンズは近年、得点力がリーグ最下位に低迷しており、打線の強化が大きな課題となってきました。
完封負けや1〜2点しか取れない試合も多く、ファンとしては物足りなさを感じる場面が少なくありませんでした。
そこで、外野テラス席の導入によってホームランが出やすくなれば、攻撃面での改善につながり、得点力不足を補う効果が期待されるわけです。
これまでフェンス直撃や外野フライに終わっていた当たりがホームランになることで、球場全体が盛り上がり、ファンにとっても「観戦してよかった」と思える瞬間が増えると思います。
つまりテラス席の新設は、単なる球場改修ではなく、チーム力強化とファンサービス向上を同時に狙った施策といえるのではないかと思います。



ホームランが増えて試合が盛り上がれば、ファンにとってもうれしいし、球団にとっても集客アップにつながりますよね。まさにお互いにとっていいこと尽くしの取り組みなのではないでしょうか
バンテリンドームに外野テラス席ができるメリット・デメリット


外野テラス席の新設は、試合展開や観戦体験に大きな影響を与える可能性があります。
ここでは、そのメリットとデメリットを考えてみます
外野テラス席のメリット
外野テラス席新設により考えられるメリットは、以下の通りです。
- ホームランが増えて試合が盛り上がる
- 打撃成績が向上し、得点力不足の改善につながる
- 観客にとって観戦の満足度が高まる
- ファミリーやグループ観戦に適した新しい観戦スタイルが広がる
外野テラス席の設置による最大のメリットは、やはりホームランが増えることです。
これまでフェンス直撃や外野フライに終わっていた当たりがスタンドインすることで、得点力不足に悩んできたドラゴンズ打線の改善が期待されます。
また、ホームランが出ことで球場全体が盛り上がり、観客にとって「観戦してよかった」と思える瞬間が増えるのは大きな魅力です。
さらに、テラス席そのものも通常席よりゆったりとした作りになっており、ファミリーやグループで観戦しやすいのもポイントです。
これまでのバンテリンドームにはなかった新しい観戦スタイルが楽しめることで、ファンサービスの面でもプラス効果が期待できるのではないでしょうか。
外野テラス席のデメリット
外野テラス席新設により考えられるデメリットは、以下の通りです。
- 投手にとっては本塁打が増えるリスクがある
- 「投手力で勝負するチームカラー」が薄れる可能性
- 防御率の悪化や中日より打撃の強いチームが有利になる
- 打高投低になりすぎる可能性
一方で、外野テラス席の設置にはデメリットもあります。
まず挙げられるのは、投手にとって不利になる可能性が高いという点です。
これまでならフェンス直撃や外野フライでアウトになっていた当たりが本塁打に変わることで、防御率の悪化や、中日より打撃力のあるチームが有利になる恐れがあります。
ナゴヤ球場から広いバンテリンドームに移って以降、中日ドラゴンズといえば「投手力を武器にした守り勝つ野球」が持ち味でした。



特に落合監督時代には、鉄壁の守備と投手陣による「守り勝つ野球」が徹底されていましたよね
しかし、テラス席の導入によって球場が「打者有利」になると、これまでのチームカラーが薄れてしまうのでは、という懸念の声もあります。
さらに、球場全体が「打高投低」に傾きすぎると、試合展開が大味になってしまう可能性も否定できません。
派手な本塁打シーンが増える一方で、緊迫感のある投手戦を好むファンにとっては物足りなさを感じる場面も出てくるかもしれませんね。
他球団のテラス席導入例とその結果


ホームランテラスは、ソフトバンク、楽天、ロッテといった球団でもすでに導入されており、チーム本塁打数に大きな変化をもたらしました。
導入前と後でホームラン数はどうなったのか見てみましょう。
| 球団 | 導入前 | 導入後翌年 | 増加数 | 本塁打数の順位変化 |
| ソフトバンク | 95本(2014年) | 141本(2015年) | +46本 | 5位 → 1位 |
| 楽天 | 52本(2012年) | 97本(2013年) | +45本 | 6位 → 3位 |
| ロッテ | 78本(2018年) | 158本(2019年) | +80本 | 6位 → 3位 |
いずれの球団も導入後に本塁打数が大幅に増加し、順位も大きく改善しているのが分かります。
特に、ロッテは1年で本塁打数を2倍以上に伸ばし、攻撃力強化に直結しました。
このような事例を見ると、2026年からバンテリンドームに導入される外野テラス席も、中日打線の得点力アップにつながる可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
もちろん投手陣には負担が増えるかもしれませんが、ファンにとってはより盛り上がる試合が増えるはずです。
バンテリンドーム外野テラス席に思うこと(個人的な意見)


他球団の事例を見る限り、外野テラス席の導入は本塁打数を大きく押し上げる効果があるのは間違いありません。
では、2026年からの中日ドラゴンズはどうなるのでしょうか。
個人的には、細川成也選手のホームラン数が一気に伸びるのではと期待しています。
2025年シーズンも力強い打球を数多く飛ばしており、テラス席の導入でわずかに届かなかった打球がホームランになるケースが増えれば、シーズン40本塁打も十分に狙えるのではないかと思います。
さらに、クリーンアップに座ると予想される 上林誠知・細川成也・ボスラーの3人が揃えば、合計でシーズン100本を超えるアーチを描く可能性も夢ではありません。
また、森駿太選手も将来性豊かなスラッガーであり、成長曲線次第では同じく40本塁打を打てるポテンシャルがあります。
投手陣への負担は増えるかもしれませんが、それ以上に「長打が出るワクワク感」が加わることで、観客にとっても魅力的な試合が増えるはずです。
2026年のバンテリンドームは、これまで以上に打撃戦の醍醐味を楽しめる球場になるのではないかと思います。
まとめ
2026年から導入されるバンテリンドームの外野テラス席「ホームランウイング」は、距離や高さの調整によって本塁打が出やすくなる仕組みです。
これまで「広すぎる球場」といわれてきたバンテリンドームにとって、大きな転換点となる改修といえるでしょう。
導入の背景には、立浪前監督の助言や、得点力不足の改善・ファンサービス向上といった球団の狙いがありました。
実際にソフトバンク、楽天、ロッテといった他球団でも、テラス席の導入によって本塁打数が大幅に増えた実績があります。
中日ドラゴンズにとっても、細川成也選手の40本塁打や、森駿太選手の将来性、さらには上林・細川・ボスラーのクリーンアップによるシーズン100本超えなど、夢のあるシナリオが期待できます。
もちろん投手陣への影響もありますが、それ以上にファンが盛り上がれる試合が増えるのは間違いないでしょう。
テラス席での観戦が新たな選択肢として加わることで、ファンにとっての楽しみが広がり、これまで以上に野球観戦を満喫できる環境になるのではないでしょうか。








