上林誠知はなぜ中日で復活できたのか?移籍の背景と今後の活躍を考察

中日に移籍してから、上林誠知選手の雰囲気が“どこか変わった”と感じている人は多いはずです。

ソフトバンク時代に見せていた鋭いスイングが戻りつつあり、プレー中の表情や立ち姿にも、自信のようなものがにじみ始めています。

なぜ上林選手は、中日でここまで存在感を取り戻せたのでしょうか。

そして2026年の上林誠知選手は、どこまで飛躍できるのでしょうか。

本記事では、上林選手の移籍の背景から、「復活の兆しが見え始めた理由」「来季の期待値」について、考察していきます。

目次

そもそも上林誠知はなぜ中日に来たのか?移籍の背景を整理

上林誠知選手が中日に移籍した背景には、大きく分けて2つの理由があります。

まずひとつは、ホークス時代に怪我が続いたことで出場機会を大きく失ってしまったことです。

実績のある外野手が揃うソフトバンクでは、一度序列が落ちると、再び試合に出続けるのが非常に難しい構造でした。

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今年の日本シリーズを見ていても、柳田、周東、柳町の外野陣は超強力でしたよね!
近藤健介選手も本来は外野ですし、ソフトバンクの外野層は日本一クラスだと思います。

そうした中で、2022年にアキレス腱断裂という大きなケガを負い、その後は打席数も大幅に減少してしまいます。

「出場機会がない=調子を上げるきっかけがつかめない」という悪循環に陥ってしまいました。

そんな中での戦力外通告は、上林選手にとっては非情な宣告でした。

しかし、この逆境をバネにしたのが上林選手のすごいところ!

戦力外という厳しい現実の中で、最初に手を差し伸べてくれたのが 中日ドラゴンズ でした。

上林選手は移籍理由について、「いちばん最初に声をかけてくれた球団だったから」と語っています。

長打力と守備力を兼ね備えた上林を“本気で必要な戦力”として評価し、他球団に先んじてアプローチした中日の誠意が、上林選手の心を大きく動かしたのだと思います。

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筆者は上林選手が中日に来た時、「え?あの上林が来たの?最高じゃん」と心の中で思いました!

結果的に、上林選手にとっても中日球団にとっても、この選択は“最高の巡り合わせ”になりましたね。

上林誠知はなぜ中日で復活できたのか?その理由を考察

中日に移籍したあと、上林選手は少しずつ本来の輝きを取り戻し始めました。

ここまで状態が上向いていった背景には、いくつかの“はっきりとした理由”があると感じています。

ここからは、筆者が考える「復活の3つの要因」 について考察してみます。

中日ならレギュラーを狙えるチャンスがあった

上林選手が中日で復活への一歩を踏み出せた理由のひとつが、“レギュラーを狙える現実的なチャンスがあった” という点です。

ソフトバンク時代は、柳田・近藤・周東・柳町・栗原など超強力な外野陣が揃い、「打席に立つこと」自体が難しい環境でした。

怪我の影響もあり、なかなか打撃の調子も上がらず、レギュラー奪取が難しい状況になっていました。

一方、中日は長年「外野の層の薄さ」が課題になっていました。

岡林や細川といった若手が伸びてきたとはいえ、まだ絶対的なレギュラーが固定されているわけではありませんでした。

つまり、“結果を出せば普通に外野のスタメンを取れる環境”だったわけです。

移籍1年目は出場機会も少なく、思うような成績が残せなかったものの、2年目は全盛期以上の活躍を見せて、見事に外野のレギュラーに定着しました。

オールスターにも出場し、2025年はまさに完全復活の年となりました。

まさに「試合に出続けられる環境」を得たことが、上林選手が本来の輝きを取り戻す“最大の土台”になったと感じています。

②元ソフトバンクの松中信彦コーチの存在(移籍2年目の2025年から就任)

2025年から中日の打撃コーチに就任した松中信彦コーチの存在は、上林選手の復活を語るうえで欠かせない要素のひとつです。

上林選手と松中さんは、ソフトバンク時代に同じ球団に所属していた“縁”があり、松中さんの就任が決まった際、上林選手はなんと自ら電話で「しごいてください!」とお願いしたというエピソードもあります。

同じ左打者として、そして平成唯一の三冠王。

そんなレジェンドから直接アドバイスをもらえる環境は、上林選手にとってこれ以上ないほど心強いものだったはずです。

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細川選手が和田コーチと出会って一気に覚醒した流れと、どこか似ていますよね!

松中コーチは、現役時代は力よりも体の回転でホームランを打つイメージがありました。

上林選手の打ち方を見ていると、どこか現役時代の松中コーチを彷彿とさせるものを感じます。

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内角の捌き方や低めの打ち方も似ている気がしますね

だからこそ、松中コーチの技術指導は上林選手にとって非常に相性が良く、2025年シーズンの復活に繋がったのではないかと思われます。

このように、上林選手が中日で復調の手応えを掴み始めている背景には、間違いなく松中コーチとの再会が大きく影響していると感じます。

③井上監督の“明るく行け”指導で、クールなキャラから脱皮できた

井上監督の就任も、上林選手の復活に重要な要素です。

上林選手はソフトバンク時代、よく「クール」「落ち着いた性格」「あまり感情を表に出さない」と言われるタイプでした。

そんな上林選手に対して井上監督は、「もっと明るく行け!」という言葉を何度も伝えていたと言われています。

井上監督は“気持ちの部分”を非常に重視する指揮官で、暗く重たい雰囲気では選手の力が出ないことをよく理解しています。

中日全体のスローガンでもある 「ドラポジ」(Dragons Positive)を体現するように、選手には常に前向きな空気でプレーしてほしいという思いが強い監督です。

上林選手もその指導を受け入れ、表情やプレー中の雰囲気が明らかに変わってきました。

特に、井上監督のトレードマークでもあるピンク色のリストバンドを身につけるようになったのは象徴的で、「チームの雰囲気を自分もつくっていく」という前向きな姿勢がにじみ出ています。

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上林選手も「変わるきっかけをくれて感謝しています」と語っていました

こうしたメンタル面の変化は、打席での余裕や、守備から攻撃への切り替えにも良い影響を与えていて、2025年以降の“復調の兆し”にもつながっていると感じます。

2026年の上林誠知には期待しかない!その理由3つ

2025年は復活の兆しがしっかり見えたシーズンでしたが、2026年の上林誠知には “もっと大きな期待” を抱いています。

ここでは、その理由を3つの視点から整理してみます。

①全盛期の勢いが戻り、経験値も乗って“ピーク到来”の予感

上林選手は2017〜18年にレギュラーとしてブレイクし、二桁本塁打を放つなど、一度“全盛期の勢い”を知っている選手です。

あの頃のスイングの鋭さや、ライナー性の強い打球、守備のダイナミックさは、ファンの間でも強烈な印象として残っています。

そのうえで今の上林選手には、

  • 怪我を乗り越えた精神的なタフさ
  • 複数の球団を経験したことで得た視野
  • 松中コーチの指導による技術の再構築


といった “経験値” がしっかり積み重なってきています。

つまり、勢い(2017〜18) × 経験(2022〜25)という、選手として最も強い組み合わせが揃い始めていると思うんですよね。

全盛期のような爆発力と、経験に裏打ちされた落ち着きが揃った上林選手は、相手投手にとって本当に嫌なタイプの打者になるはずです。

2025年は復調の兆しとともに安定感が戻りつつあり、その流れを持ったまま迎える2026年シーズンは、まさにピークを迎えるのではないでしょうか。

年齢も30歳と、いちばん脂が乗ってくるタイミングなので、個人的にはもう期待しかありません。

②バンテリンドームにホームランテラスができる(長打が増える好条件)

2026年からバンテリンドームにはホームランテラスが導入され、これまでの投手有利な球場から、一転して打てる球場に生まれ変わります。

これは長打力が魅力の上林選手にとって、間違いなく大きな追い風になるはずです。

その理由としては

  • ライト方向へのライナー性の打球が、そのままスタンドまで届きやすくなる
  • 体の回転で飛ばすタイプなので、少し角度がついただけでスタンドインが狙えるようになる

といった点が挙げられ、上林選手との相性はかなり良いと感じています。

2025年シーズンは、テラスができる前のバンテリンを本拠地にしてホームランを17本打ちました。

テラスができる2026年シーズンは、キャリアハイ(2018年の21本)更新も十分あるのではないでしょうか。

さらに言えば、上林選手はソフトバンク時代にホームランテラスを経験済みなので、技術でホームランを飛ばす術を知っています。

これは、ホームランテラスを経験したことのある上林選手だからこそ手にしている“実戦の勘”であり、大きな強みです。

この“実戦の勘”が、2026年以降の成績にどんな形で表れてくるのか、楽しみで仕方ありません。

③若手の見本としてチームを引っ張る存在になる

2026年の上林選手は、若手の見本としても期待が大きいです。

中日の外野陣は、岡林、細川、ブライト、鵜飼といった伸び盛りの選手が多く、これから黄金期をつくっていくための“素材”が揃っています。

その中で上林選手は、年齢的には中堅なので、経験値と実績のバランスがちょうど良い“兄貴分的存在”です。

ソフトバンク時代に

  • 優勝争い
  • 短期決戦
  • プレッシャーのかかる場面

を経験してきたことは、中日の若手にはない大きな強みです。

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2017年はソフトバンクで実際にリーグ優勝・日本一を経験しています

とくに守備面では

  • 打球判断
  • 一歩目の反応
  • 肩の強さ

など、外野手としての総合力が非常に高い選手で、その動きは、若手にとって “そのまま教科書になるレベル” です。

さらに2025年頃からは、表情や声かけも明るくなり、井上監督の掲げる 「ドラポジ」 を一番体現している選手のひとりになりつつあります。

技術だけでなく、“前向きさ” や “雰囲気づくり” まで含めて若手に良い影響を与えられる存在にになりつつあるんですよね。

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オフのインタビューで「もう優勝してもいいでしょう」と語っていたのも、頼もしさが増していますね!

2026年は、成績で引っ張り、姿勢で引っ張り、外野陣全体を底上げするリーダー的役割を担うシーズンになるのではないでしょうか。

まとめ

上林誠知選手は、ソフトバンク時代にブレイクを果たしたあと、アキレス腱断裂という大きな怪我に苦しみ、思うような結果を残せない時期が続きました。

しかし、中日へ移籍してからは環境の変化もあり、再び本来の輝きを取り戻しつつあります。

中日では、継続して試合に出られる環境が整い、松中信彦コーチや井上監督との出会いが、技術面・メンタル面の両方で大きなプラスとなりました。

さらに2026年にはホームランテラス導入という追い風も加わり、持ち前の長打力がより活きるシーズンになるのではないかと思います。

外野陣が若手中心の中日で、経験と実績を兼ね備える上林選手は“兄貴分”としての役割も求められ、チーム全体の底上げにもつながる存在です。

個人的に、2026年シーズンはキャリアハイの成績を残すのではないかとめちゃくちゃ期待しています。

打順はおそらく3番がメインと思われますので、打点、ホームラン、盗塁でチームを引っ張る”攻撃の要”として期待したいですね!

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この記事を書いた人

野球情報について独自の考察を交えて書いています。
1999年に中日ドラゴンズの渡邉選手のサヨナラ試合を見て感動し、大の野球ファンになりました。
優勝の日に名古屋ドームのパブリックビューイングで観戦したのはいい思い出です。
推しの球団は中日ドラゴンズですが、他球団の選手に関連する記事も書きます。

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